Quick Homepage Maker is easy, simple, pretty Website Building System

2014.9.10⇒

日本軍「慰安婦」問題、「河野談話」について

1、 日本軍「慰安婦」問題
1990年1月4日、尹晶玉(ユン・ジョンオク)梨花女子大学教授が、ハンギョレ新聞に「挺身隊取材記」を連載し、翌年8月14日に故・金学順氏が、慰安婦に強制動員されたことを初めて公開の場で証言して、日本軍慰安婦問題が世に提議されることになった。

2、 河野洋平内閣官房長官談話
1991年、韓国の元慰安婦らが日本政府に補償を求めて提訴したことを受け。日本政府は調査を始めた。1992年7月に加藤紘一官房長官がこの調査結果をまとめて発表したが、内容が不十分だとの批判を受け、国内から海外に調査を拡大し、1993年8月宮沢内閣の河野洋平官房長官が公表した。

従軍慰安婦関係調査結果発表に関する河野洋平内閣官房長官談話  1993年8月4日
 いわゆる従軍慰安婦問題については、政府は、一昨年12月より、調査を進めて来たが、今般、その結果がまとまったので発表することとした。

今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。

なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。

いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。

我々はこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。

なお、本問題については、本邦において訴訟が提起されており、また、国際的にも関心が寄せられており、政府としても、今後とも、民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい。

2014年6月2日 河野洋平氏、山口の講演要旨
~「誤った事実は謝罪する」「政府は正しい歴史認識に立ち、不規則発言は改めるべき」~
 日韓両国の長い歴史には不幸な問題がいくつもありました。正面からそれに向かい合い、人権意識に基づいて日本政府は正しい歴史認識の立場を取らねばならない。現政権は村山談話も河野談話も継承すると認めている。不規則発言は改めるべきです。
 誤った事実は誤っていたと謝罪する。それが国際社会から理解を得る一番の方法です。「他国も昔は同様のことをやっていた」と開き直るのは卑怯なことです。速度違反で検挙された人が、周りもやっていると居直るようなもの。
 河野談話作成の過程で、資料を集め、同時に従軍慰安婦の聞き取り調査も行った。様々な意見がある。慰安婦の発言は真実なのか。発言の裏を取ったのか。だが、最後は被害者の話を聞き、反省をすべきだろう。
 戦時中の軍施設内に慰安所があったのは確かなこと。慰安婦の中には自分からやってきた人もいるかもしれません。誰かに連れて来られた人もいるかもしれません。だけど慰安所に入ったら「私はここで働きたくないので帰る」と言っても軍の指揮下なので帰ることはできませんよね。命令によって拒否はできない。ならば強制的なものとみるべきでしょう。
 私が日本を貶めるわけがないじゃないですか。当時官房長官ですよ。誠心誠意、日韓関係を将来にわたって良好なものにしたい。そうした気持ちだからこそ資料を集め、努力した。
 今日本がやるべきことは日韓関係を尊敬しあえる間柄にすることです。河野談話以降、日韓関係は良好だった。それがこの2、3年でなぜ互いに相手国を悪く言うようになったのか?
 両国の指導者に言いたい。協力し合う関係を構築するのは必然なんです。両国がよりよく生きていく上で大局的な見方をしてほしい。
 この問題については今まで発言を避けてきた。静かに冷静にこの問題についてみなさんに考えてほしいと思ったからです。
 私は夕べ、検証報告書を読みました。足すべきことはない。引くべきこともない。すべて正しい。
 両国の良好な関係を築くために民間のみなさんにもぜひお願いしたい。心からそう祈念しています。

3、国連・条約機関の勧告(抜粋)
自由権規約(市民的政治的権利に関する国際規約)委員会 最終所見
2008年 (CCPR/C/JPN/CO/5)
22. 委員会は、当該締約国が第二次世界大戦中の「慰安婦」制度の責任をいまだ受け入れていないこと、加害者が訴追されていないこと、被害者に提供された補償は公的資金ではなく私的な寄付によってまかなわれており不十分であること、「慰安婦」問題に関する記述を含む歴史教科書がほとんどないこと、そして幾人かの政治家およびマスメディアが被害者の名誉を傷つけあるいはこの事件を否定し続けていることに、懸念をもって注目する。(第7、8条)
 当該締約国は「慰安婦」制度について法的責任を受け入れ、大半の被害者に受け入れられかつ尊厳を回復するような方法で無条件に謝罪し、存命の加害者を訴追し、すべての生存者(survivors)に権利の問題として十分な補償をするための迅速かつ効果的な立法・行政上の措置をとり、この問題について生徒および一般公衆を教育し、被害者の名誉を傷つけあるいはこの事件を否定するいかなる企てをも反駁し制裁すべきである。


女性差別撤廃委員会 最終所見
1994年 (A/50/38)
633.委員会は、日本の報告が他のアジアの諸国からの女性に対する性的搾取及び第二次世界大戦中の女性に対する性的搾取に関する問題を真剣に反映していないことにつき失望の意を表明した。(以下略)
635.[略]・・・委員会は、また、日本政府に対し、これらの最近の問題及び戦争に関連する犯罪を取り扱うため具体的かつ効果的な措置をとること及びその措置につき次回の報告で委員会に報告することを勧奨する。
2003年 (A/58/38)
361.[略]・・・いわゆる「従軍慰安婦」の問題に関しては、第2回・3回報告の審議以前、以後にとられた措置について、締約国が提供した包括的な情報を評価しつつ、委員会は、この問題についての懸念が継続していることに留意する。
362.[略]・・・委員会は、締約国がいわゆる「従軍慰安婦」問題を最終的に解決するための方策を見出す努力を行うことを勧告する。
2009年 (CEDAW/C/JPN/CO/6)
【女性に対する暴力】
37.委員会は、「慰安婦」の状況について締約国がいくつかの措置をとったことには留意するが、第二次世界大戦中に被害を受けた「慰安婦」の状況について、締約国が永続的な解決を見出していないことを残念に思うとともに、学校の教科書からこの問題に関する記述が削除されたことに懸念を表明する。
38.委員会は、「慰安婦」の状況について、被害者への補償、加害者処罰、公衆に対するこれらの犯罪に関する教育を含む、永続的な解決を見出す努力を締約国が緊急に行うべきとの勧告を改めて表明する。


拷問禁止委員会 最終所見
2007年 (CAT/C/JPN/CO/1)
12.【時効】委員会は拷問と虐待同然の行為に時効が適用可能であることを懸念する。委員会は拷問と虐待同然の行為に対する時効でこれらの犯罪の捜査、起訴そして処罰が妨げられるのではないかと懸念する。特に、委員会は、時効に関連する理由で、第二次世界大戦中に軍性奴隷被害者(いわゆる「慰安婦」)によって起こされた訴訟が棄却されたことを残念に思う。
 拷問と虐待を構成する行為は、拷問の企ておよび拷問に共謀するいかなるものの行為を含めて、時間の制限なしで、調査し、起訴し、罰することができるように、締約国は自国の時効に関する規則・規定を調  査し、条約に基づく義務と一致させるべきである。
23. 委員会は、特に第二次世界大戦中の日本軍による性奴隷行為の生存者を含む性暴力の被害者への不十分な救済策と、性暴力やジェンダーに基づいた条約違反を防ぐために有効な教育その他の対策を取ることを怠っていることを懸念する。戦時虐待の生存者は締約国代表によって「不治の傷」を負ったと認められてはいても、締約国による事実の否定、事実の隠蔽や不開示、拷問行為に刑事責任を負うものの不起訴、および被害者と生存者に適切なリハビリテーションを提供しないことなどによって、虐待や再度の心的外傷を継続的に経験している。
 委員会は、教育(条約第10条)および救済策(条約第14条)の両方がそれ自身、条約に基づく締約国の義務であり、さらなる侵害を予防する手段であると考える。繰り返される公式否認、不起訴、および適切なリハビリテーションを提供しないことなどすべてが、教育や救済策を通  じて拷問と虐待を防ぐという条約に基づく義務についての日本の不履行を構成している。委員会は、締約国が性別とジェンダーに基づく差別の根源に取り組む教育を実施するための手段を取り、不処罰防止手段を含む被害者のリハビリテーションの手段を提供するように勧告する。
2013年
19. 第二次世界大戦中の日本軍性奴隷制の慣行の被害者、いわゆる「慰安婦」に対して行われた虐待を認めるためにとられた諸手段に関して日本政府から提供された情報にもかかわらず、委員会はこの問題に対処するに当たり、締約国が、特に以下について本条約に基づく責務を果たすのを怠っていることに、深い懸念を持ち続けている(条約第1条、第2条、第4条、第10条、第14条、16条)。
(a) 適正な救済とリハビリテーションを被害者に提供するのを怠ったこと。委員会は、公的資金ではなく民間の募金による財政で賄った賠償が、不十分かつ不適切であったことを遺憾とする。
(b) 拷問のこのような行為の加害者を訴追し、裁きの場に立たせて刑を受けさせるのを怠ったこと。委員会は、拷問の効果が本質的に継続的である点に鑑み、被害者が受けるべき救済、賠償、リハビリテーションを奪うため、時効は適用されるべきでないことを想起する。
(c) 関連の諸事実および資料の隠ぺい、または公開を怠ったこと
(d) 複数の国会議員を含む国および地方の、高い地位の公人や政治家による、事実の公的な否定や被害者に再び心的外傷を負わせることが継続していること
(e) とりわけ歴史教科書でこの問題に関する記述が減少していることにみられるように、ジェンダーに基づく条約違反を防止するための効果的な教育的施策を実施するのを怠ったこと
(f) 本委員会の勧告や、その他の多くの国連人権機関、とりわけ自由権規約委員会、女性差別撤廃委員会、社会権規約委員会、人権理事会から委任を受けた複数の特別手続などによる諸勧告と類似のものであるところの、この問題に関連してUPR(国連「普遍的定期的審査」)の文脈でなされた複数の勧告を、締約国が拒絶(A/HRC/22/14/Add.1, paras.147.145 et seq.)していること。
本委員会一般勧告第3号を想起しつつ、本委員会は締約国に対し、即時かつ効果的な立法的および行政的措置をとり、「慰安婦」の諸問題について被害者中心の解決策をとるよう強く求める。特に:
(a) 性奴隷制の諸犯罪について法的責任を公に認め、加害者を訴追し、適切な刑をもって処罰すること
(b) 政府当局者や公的な人物による事実の否定、およびそのような繰り返される否定によって被害者に再び心的外傷を与える動きに反駁すること
(c) 関連する資料を公開し、事実を徹底的に調査すること
(d) 被害者の救済を受ける権利を確認し、それに基づき、賠償、満足、できる限り十分なリハビリテーションを行うための手段を含む十全で効果的な救済と補償を行うこと
(e) 本条約の下での締約国の責務に対するさらなる侵害がなされないよう予防する手段として、この問題について公衆を教育し、あらゆる歴史教科書にこれらの事件を含めること。

4、慰安婦問題の本質は何か? (Fight for Justice/日本軍「慰安婦」―忘却への抵抗・未来の責任より)
問題は“強制連行”したかどうかにあるのか?
 日本軍「慰安婦」を正当化しようとする人びとは、女性を連行するときに暴力あるいは強制が使われたかどうかだけを取り上げ、それを文書で証明できないから、そういう「事実」はなかった、日本軍「慰安婦」制度は悪くないのだ、という言い方をします。
こうした議論の仕方は、はたして妥当なのでしょうか。少し考えていただければすぐにわかるように、これは論点のすり替えであり、重大な問題から人びとの関心を逸らそうとするものです。
 かつて日本軍「慰安婦」問題が取り上げられるようになったときに、一部には、問題を世論に訴えるために強制連行だという点を強く言う人たちがいました。しかし、日本軍や日本政府の資料が次々に明らかになり、また元慰安婦の方々の証言がなされるようになってくると、連行時に暴力が使われたかどうかが必ずしも重要なポイントではないことは、この問題に取り組んでいる研究者や市民にとって早い段階ではっきりとしていました。
 たとえば、この問題の研究の第一人者である吉見義明氏が1995年に出版した『従軍慰安婦』(岩波新書、1995年4月)において、「従軍慰安婦」とは、「日本軍の管理下におかれ、無権利状態のまま一定の期間拘束され、将兵に性的奉仕をさせられた女性たちのことであり、『軍用性奴隷』とでもいうしかない境遇に追いこまれた人たちである」と定義しています(p11)。
 同書の結論部分において、「従軍慰安婦問題の本質とは何か」として、
第一に「軍隊が女性を継続的に拘束し、軍人がそうと意識しないで輪姦するという、女性に対する暴力の組織化であり、女性に対する重大な人権侵害であった」こと、
第二に「人種差別・民族差別であった」こと、
第三に「経済的階層差別であった」こと、
第四に「国際法違反行為であり、戦争犯罪であった」とまとめています(p231-233)。
 ここでも、連れて行く際に強制したことではなく、女性たちが―連れていかれた際の方法はさまざまであれ―、軍慰安所に連行されてから、そこで監禁拘束され、性奴隷状態にさせられていたことこそが最大の問題であることを明確に指摘しています。
 なお念のために言っておきますと、連行の方法についても必ずしも暴力的な連行だけが問題ではなく、詐欺・甘言、人身売買など連行方法のほとんどが当時においても犯罪であったことが明らかにされています。

 こうした認識は世界的に共通のものと言えます。たとえば、元外交官だった東郷和彦氏は、2007年の歴史問題シンポジウムでのあるアメリカ人の意見を紹介しながら次のように述べています。
 「日本人の中で、<強制連行>があったか、なかったかについて繰り広げられている議論は、この問題の本質にとって、まったく無意味である。世界の大勢は誰も関心を持っていない。性、ジェンダー、女性の権利の問題について、アメリカ人はかってとは全く違った考えになっている。慰安婦の話を聞いた時彼等が考えるのは、‘自分の娘が慰安婦にされていたらどう考えるか‘と言う一点のみである。そしてゾっとする。これが問題の本質である。ましてや、慰安婦が<甘言をもって>つまり騙されて来たと言う事例があっただけで、完全にアウトである。<強制連行>と、<甘言で騙されて、気がつい時には逃げられない>のと、何処が違うのか? もしもそういう制度を、<昔は仕方がなかった>と言って肯定しようものなら、女性の権利の‘否定者‘(denier)となり、同盟国の担い手として受け入れることなど問題外の国と言うことになる。」(『世界』2012.12)
 またブッシュ政権のときに国家安全保障会議上級アジア部長を務めたマイケル・グリーンは、「永田町の政治家達は、次の事を忘れている。<慰安婦>とされた女性達が、強制されたかどうかは関係ない。日本以外では誰もその点に関心がない。問題は、慰安婦たちが悲惨な目に遭ったと言うことだ」(『朝日新聞』2007.3.10)と語っています。
 誘拐事件がおきたとき、暴力的に連れ去ったか、騙して連れ去ったか、そんなことは問題になりません。連れ去った先で監禁拘束すれば、最初の連れ去り方は誰も問題にしません。どちらの連れ去り方でも刑法上の犯罪としての重さは同じです。騙して連れて行っただけだから、悪くないのだ、などと言う者がいれば、みんなから何をバカなことを言うのだとブーイングを浴びるだけでしょう。
 女性を慰安所に監禁し、「性的奉仕」を強制したこと、国家機関が、そうした制度を作り、女性を集め、運営し、それを公認したこと、そうしたことこそが大問題なのです。

powered by Quick Homepage Maker 4.81
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional