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2019.7.20⇒

『コスタリカ弁護士 ロベルト・サモラさん講演報告』

 久しぶりのメール通信です。今回は、今年6月中旬、コスタリカから招いた弁護士ロベルト・サモラさんを招いて日本各地で行った講演の報告です。7月21日参院選投開票まで、あと数日。それを意識しての通信です。ご一読ください。

                2019年7年月18日(木)
                池住義憲
                (https://www.facebook.com/yoshinori.ikezumi


 “平和とは、人びとの権利が尊重される状態”
 “権力を公正・公平に分散すること
  それが民主主義を生み出し、平和になる”
 “富が平等に分けられるためには、権力を平等に分けること
  これが崩れると、民主主義の危機になる”

 これはいずれも、今年6月中旬、コスタリカから招いた弁護士ロベルト・サモラさんが、日本各地の講演会で語った言葉の一部です。一つひとつが、鋭い! 日本の現状況に、そのまま突き刺さってきます。

 コスタリカは、1949年施行の憲法で、常備軍を廃止した国。70年経った今も、紛争が絶えない中米地域で、憲法を活かし、軍隊を持たず、平和を創り、平和を維持してきています。一方日本は、戦争に巻き込まれる可能性をはらんだ安保法制を強行成立させ、軍備を増強させ、政権与党自らが憲法“改正”を声高に公言…。

 こういう時期だからこそ私は、コスタリカに触れ、コスタリカの現実と実践から学び、私たち主権者としての「今」と「これから」を改めて見つめたい。直接出会って、希望と勇気を強めたい。これが今回、サモラさんを日本に招いた大きな理由です。

 サモラさんは、6月8~15日の8日間、日本に滞在。その間、東京・名古屋・山口・長崎の4地域で、それぞれ地域の特性を活かして講演会を開催しました。計661名の市民が参加しました。

 サモラさんは、38歳、弁護士。2003年3月、コスタリカ大統領が米国主導のイラク進攻を支持し、有志連合国リストにコスタリカが載っていたことに対して、当時大学生だったサモラさんがコスタリカ憲法違反だとして訴訟を起こし、違憲判決を勝ち取りました(2004年10月)。

 名古屋集会では、このコスタリカ最高裁判所の違憲判決と共に、「自衛隊イラク派兵差止訴訟」の名古屋高裁違憲判決(2008年4月、イラクに派兵された航空自衛隊の活動は「武力行使を禁止した憲法9条に違反する」とした判決)に焦点を当てて、集会を行いました。世界194ヵ国のなか、イラク戦争関連で憲法違反の司法判断で確定したのはコスタリカと日本の2ヵ国だけです。市民が「憲法の力」を活用して、いかに平和を守る取り組みを行ったか、について考え合う集会になりました。

 東京・山口・長崎では、DVD『軍隊をすてた国』(2001年映画、15分ダイジェスト版)を上映した後、サモラさんから、①憲法最高裁判所に訴えて平和憲法を守った実践、②コスタリカの歴史、③永世中立宣言により再軍備を回避した大統領の知恵、に焦点を当てた話を聞きました。

 山口での講演は、1824年最初のコスタリカ大統領フェルナンデスが教師であったことから始まり、国の隅々に学校をつくることを含めた憲法の施行。以後、1841年に世界人権宣言を先取りした新しい憲法、1871年共和制憲法、そして1949年に常備軍廃止などを定めた現在の憲法へと発展したコスタリカの歴史を分かり易く語ってくれました。「歴史が勝った」との意味が実感として伝わってきました。最後の方で、冒頭にあるとおり、「富が平等に分けられる」ためには「権力を平等に分ける」必要がある、ということを強調。これが崩れると民主主義の危機になると指摘し、日本の現状・現実を振り返る貴重な機会になりました。

 サモラさんは、憲法・国際法・法律が「存在すること」だけでは十分でない、とはっきり言います。すばらしい憲法を持っているからといって、無条件でその国がすばらしいとは限りません。大切なことは、それを国内外で活用すること。生活のなかで実践してすること、です。それで初めて意味を持つ、と強調。そう、その通りです。

 すばらしい平和憲法を活用し、具現化・現実化する主体は、私たち主権者。今回一連のサモラさん講演会は、改めてそれを実感する機会となり、私たちに希望(エスペランサ)と勇気を喚起させるものになりました。(了)


 *本稿は、7月29日発行予定の「憲法を活かす市民の会・やまぐち」月刊紙『にゅうすれたあ』NO.243号の原稿です。

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