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2019.8.06⇒

原水爆禁止2019年世界大会 国際会議宣言

 我々は、被爆75年である2020年を「核兵器のない平和で公正な世界」への歴史的転機とするために、被爆者とともに立ち上がることを呼びかける。

 世界にはいまなお約1万4000発もの核兵器が存在している。核兵器の脅威を根絶することは、世界の安全と、人類の未来がかかった緊急課題である。いま多くの人々が、被爆者の体験を深く受け止め、核兵器廃絶のために立ち上がっている。気候変動など人類の生存にかかわる諸課題の解決のため、若者をはじめ広範な市民が行動を起こしている。これらを合流させ、世界的な運動をつくりあげよう。

 74年前、アメリカが広島と長崎に投下した原子爆弾は、一瞬にして二つの都市を破壊し、その年の末までに21万人の命を奪った。原爆は、人間として死ぬことも、人間らしく生きることも許さなかった。かろうじて生き延びた人たちも原爆病と社会的差別に苦しめられた。核兵器は、人間の尊厳を徹底して踏みにじる、他に類をみない悪魔の兵器である。

 核保有国は、「核抑止」政策に固執し、核兵器使用の危険を増大させている。

 アメリカは核兵器を使用する姿勢をいっそう強めるとともに、新たな核ミサイルの開発もすすめつつある。一方的離脱によって中距離核戦力(INF)全廃条約を失効させるなど、核戦力の優位をめざそうとしている。ロシアは対抗姿勢をつよめ、地域紛争での戦術核兵器の先制使用や新型核兵器の開発を公言している。新たな核軍拡競争につながる動きがおきている。

 核保有5大国は一致して、核兵器禁止条約に強く反対し、核兵器廃絶の国際的流れに敵対している。核不拡散条約(NPT)の核軍縮交渉義務(第6条)や、「核兵器のない世界」の実現をめざす従来の誓約や合意までも反故(ほご)にしようとしていることも、重大である。米トランプ政権が提唱する、「核軍縮のための環境づくり」(CEND)は、「前提条件」をつけて、核軍縮を先送りするものに他ならない。

 核保有国と核依存国は「核兵器は自国の安全に必要だ」と主張する。だが、「核抑止」政策は、核兵器の使用を前提にしたものである。いかなる理由であれ、いかなる国民にたいしても、核兵器による破滅的帰結をもたらすことは、人道に照らして絶対に許されるものではない。「核兵器のない世界」こそ、すべての国に核の脅威のない安全を保障する唯一の道である。

 「核兵器のない世界」を求める声は、国際政治でも、市民の間でも圧倒的多数である。そのなかで孤立する核保有国は、矛盾や対立をはらみながらも、核戦力の維持・強化のためには結束している。核兵器固執勢力と廃絶をめざす勢力の対立こそ、今日の核軍縮をめぐる世界の構図である。

 核兵器禁止条約は、核兵器を全面的に違法化する規範をうちたて、その廃絶への重要な一歩を踏み出した。それは、核保有国に対する大きな政治的、道義的圧力となっている。核保有国の抵抗や逆流は、守勢のあらわれである。禁止条約にはすでに70カ国が署名し、批准は24カ国に達した。発効は時間の問題である。この条約が発効すれば、さらに大きな力を発揮するだろう。

 来年はNPT発効から50年である。5大国のみに核保有を認める不平等性にもかかわらず、多くの国がNPTを支持しているのは、核軍縮・撤廃交渉の義務(第6条)を明記しているからである。5大国がこれに背をむけつづけることは許されない。5大国には、条約の義務をはたすのか否かが厳しく問われている。

 2000年以降のNPT再検討会議での合意や核兵器禁止条約の成立など、重要な局面で前進をひらいてきたのは、世界の世論と運動である。いまこそ、世界の反核運動と市民社会が、その役割を発揮すべきである。

 イラン核合意(JCPOA)からのアメリカの一方的離脱後、武力衝突の危険が高まっている。核兵器を保有するインド・パキスタンの緊張激化も重大である。核を含む武力行使は断じて許すことはできない。国連憲章の平和原則を遵守(じゅんしゅ)し、対話と外交によって問題を解決することを強く要求する。米朝は交渉を加速させ、朝鮮半島の非核化と平和体制の構築、米朝関係の正常化というシンガポール共同声明(2018年)を誠実に実行すべきである。すべての関係国に、武力による威嚇や挑発を厳に慎み、平和解決への努力をさらに強めることを求める。

 大国が「自国第一」をふりかざして、多国間の合意を軽視、無視する動きがつよまっている。しかし、もはや大国が、自国の利益を追求して、世界を思い通りにできる時代ではない。気候変動、資源、貧困や格差などグローバルな諸問題も、市民社会も参加した、多国間の共同の努力でこそ解決できる。核兵器をはじめとする軍備増強は膨大な資源の浪費であり、これらの問題の解決をいっそう困難にしている。我々は平和で公正な未来のために、国連憲章の平和原則と多国間主義にもとづく世界秩序の確立を要求する。

 我々は、被爆国にふさわしい役割を政府に求める日本の運動に連帯する。400をこえる自治体が意見書を採択しているように、政府に核兵器禁止条約への署名、批准を求める声もひろがっている。核兵器の非人道性を体験した日本は、アメリカの「核の傘」から離脱し、禁止条約を支持し、参加すべきである。我々は沖縄県民への支持を表明する。多数の県民がくりかえし拒否を表明している沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設を断念し、普天間基地を即時返還すべきである。深刻化する日韓関係の改善のためには、政経分離の原則にもとづき、侵略と植民地支配の歴史の直視と反省に立った理性的な対応が求められる。軍備拡大や日米軍事同盟の強化ではなく、第9条など憲法の平和原則をいかした外交こそが、日本と東アジアの平和を実現する道である。

 被爆75年にむけて核固執勢力を突き動かす世論を世界と各国でつくろう。

 最も重要なことは、ヒロシマ、ナガサキの被爆の実相をはじめ核兵器の非人道性を訴える活動の強化である。「核抑止力」論を打ち破る最大の力は、核兵器使用の破滅的結末、非人道性の告発にある。

 すべての国、とりわけ核保有国とその依存国で、禁止条約の署名と批准を求める多数派をつくりあげることが重要である。議員、政党、自治体との協力をいっそう強化する必要がある。

 2020年は国連創設75年でもある。その第1号決議における「原子兵器の廃絶」が、戦後国際政治の原点であったことを想起すべき時である。国連総会、NPT再検討会議を節目に、市民社会と諸国政府の共同をさらに発展させなければならない。

 そのために我々は、以下の行動をよびかける。

 ―被爆証言(遊説)や原爆展を組織しながら、核兵器廃絶を求める多様な行動にとりくもう。「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」(ヒバクシャ国際署名)は1000万筆に達しようとしている。来年のNPT再検討会議と国連総会にむけて飛躍させよう。ヒロシマ・ナガサキの被爆者、ビキニ被災者をはじめ、世界各地の核被害者とともにたたかおう。

 ―ニューヨークでの原水爆禁止世界大会はじめ、2020年NPT再検討会議での国際共同行動を成功させよう。

 ―軍事費の削減、紛争の平和的解決、外国軍事基地の強化反対とその撤去、軍事同盟の強化反対とその解消、枯れ葉剤など戦争被害者への補償と支援、平和教育の推進など、反戦・平和の諸課題にもとづく運動との共同を発展させよう。

 ―原発ゼロ、地球環境保護、貧困と格差の解消、生活向上と雇用の確保、社会保障の擁護・充実、ジェンダー平等の実現、民主主義と人権の擁護・発展、SDGs(持続可能な開発目標)の達成をはじめ、さまざまな課題にとりくむ社会運動との連帯を発展させよう。

 被爆者の平均年齢は82歳をこえた。「生きているうちに核兵器廃絶を」という被爆者の願いにこたえるためにも、我々は急がねばならない。人間の尊厳を否定する核兵器とそれに抗(あらが)う人々のたたかいは、世代と国境をこえて共感を広げている。人間らしく生きようとするすべての人々とともに、「核兵器のない平和で公正な世界」の実現のために力を尽くそう。

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